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猪八戒

西遊記の人物の中で猪八戒が何を表しているかを理解するのは、最も簡単である。なぜならば、私たちは皆彼の貪欲さと怠惰を認識するからである。私たちは彼、を笑うことによって自分の中に「猪八戒」があることに気付くことを防ぐ。猪八戒は本能センターを表す。(本能センターの説明についてはこちらへ:人間の存在が持つ多数性)。本能センターは悟りの旅に行くことは仕方がないと思っているが、本当は全く興味がない。彼は「ぼけなす」と呼ばれている。本能センターは食べ物のほうに興味がある。

せがれたちがご飯をもってきて、テーブルにならべました。「どうぞお斎を召しあがれ」との声に、三蔵は合掌して「起斎経」をとなえますが、八戒のやつ、早くも一膳たいらげます。三蔵のお経がすまないうちに、このぼけなすは、さらに三膳たっぷり食べていたのです。それを見た悟空、「この底なし胃袋めが!まるで餓鬼に出くわしたみたいだぜ」。その王老人はなかなか心得たお人で、八戒のおそるべき早食らいを見て、「こちらのお坊さんは、ほんとに腹ぺこでいらっしゃるようじゃ。おかわりを急いでおくれ」。このぼけなすときたら、ほんとに底なし胃袋で、顔も上げずに十数膳も、続けざまにかっこんでおります。三蔵と悟空は二膳もいかないのですが、ぼけなすは休むことなく、まだ食らっているのでした。 --『西遊記』、第20章

本能センターは安楽に暮らしたい。

昼寝をしたい猪八戒、陈惠冠による






「いますぐもどって、うちの和尚に、托鉢するところはありませんでしたと報告しても、あの人は、おいらがこんなにあるきまわったなんて信じないだろうな。そんならいっそ、もすこし時間をつぶしたほうが、かえってからの話がしやすくなるてえもんだ。よしよし、それでいくか。草のなかでちょっくらおねんねしよう」あほんだらは、あたまで草をはねのけ、そこにあたまをつっこんで眠りはじめました。 --『西遊記』、第28章






少しでも困難なことが起こると、本能センターは旅をやめて、旅を開始する前の快適な生活に戻りたいと思う。

八戒はパッと身をひるがえして山を駆けのぼり、叫びました。「おい、悟浄、すぐに荷物をもってこい。解散だぞ」。悟浄は「八戒、解散してどうするんだ?」「解散したらな、おぬしは流沙河に戻って人でも食ってろ。おいらは高老荘に行って嫁さんと再会する。兄貴は花果山に行ってお山の大聖になればよし。白馬は大海に帰って一人前の龍になればよし。師匠はな、もう妖怪の洞窟のなかで祝言をあげちまったんだぞ。おいらたちだって、戻って、めいめいのんびり暮らそうぜ」。すると悟空、「このあほんだらめ、またくだらんことをぬかしおって!」八戒、「くだらんことじゃないぞ。水くみをしていた女怪ふたりが言ってたけどな、精進料理の宴席をととのえて、唐僧と召しあがってから、夫婦のちぎりを結ぶんだとさ」。悟空、「あの妖怪めは、師匠をしばりあげ、洞内にとじこめているんだ。師匠は、おれたちが助けにいくのを、いまかいまかと待っいるというのに、
おぬしときたら、つまらんことばかりぬかしやがる」。 --『西遊記』、第82章

異性に会うときに本能センターは簡単に現在の瞬間への旅から逸脱する。

猪八戒は女の子を装った菩薩といちゃつく(陈惠冠作)
「ゆうべのあの家の母娘は、どこの菩薩さまの化身かわかりませんが、ここで、我々の前に現われたんです。どうやら、夜のうちに、おかえりになったようですな。ただ猪八戒のやつが苦労しているのには、まいったな」と、悟空が笑いながらいったので、三蔵は合掌しつつ、地べたにあたまをすりつけ頂礼いたしました。ふと見ると、すぐ後ろの柏の古木に、一枚の書きつけがひっかかっていて、ひらひらしているではありませんか。すぐさま悟淨がそれを取ってきて、師匠にお見せしました。そこには、こんな八句の詩が:

黎山老母は俗界を慕わねど
南海菩薩に請われ山下がる
普賢と文殊もまた客となり
美女と化し林間に出没せり
聖僧は得あり俗気なけれど
八戒に禅なく更に凡心あり
以後は須く過ちを改むべし
   怠慢せば道途は難しからん。
--『西遊記』、第23章

小説の最後の章では、他の皆は悟りを開いて「仏」や「羅漢」になるが、猪八戒はなれない。なぜならば、彼はまだあまりにも低俗で欲望の生き物だからである。巡礼の成功のおかげで彼はその代わりに 「祭壇の清め役」つまり、祭壇の供物の残り物を食べる仕事を与えられる。これは、本能のセンターが行う最高のことは「現在に存在する」努力を妨害しないことで、「プレゼンスの状態」に実際に従事することはできないということを象徴している。



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英語のウェブサイト: The Secret of the Golden Flower ⎟ The taoist I Ching Being Present First