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プレゼンス

「プレゼンスの状態」は複雑ではなく、それは単に自分自身に気づいている状態である。 日常活動に巻き込まれたときに「現在に存在したい」という願望を持つことは容易ではない。 この願望が現れ、根付くならば、「現在に存在すること」を開始するのは難しいことではないが、それを継続することは困難である。この状態を継続できると、「内なる神」または「高次の自己」が目覚めて、「現在に存在」する。

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神聖なるプレゼンスをあなたの行き先にしなさい。
-- アル・ガザーリ
「想起」の修行を続ける以外に「神聖なるプレゼンス」に到達する方法はない。-- クシャリ
あなたが、プレゼンスの言が何であるかと尋ねたら、私たちは「存在、Be」と返事をする。-- イブン・アラビー
存在するかどうか、それが問題である。
-- ハムレット、シェークスピア


「現在に存在すること」はすべての秘教的な伝統の中心であり、多くの異なる方法で話されている。それは無言の状態で、言葉は必ずしもそれを記述するのに十分でないために、プレゼンスの各説明は、それの一側面しか示さない。「プレゼンス」のさまざまな象徴は、「プレゼンス」の状態を異なる観点から見る方法である。それらは同時に真実であり、共に「プレゼンス」は何であるかということをもっと良く理解する助けになる。しかし最終的には、人は「プレゼンス」を経験するときにしか本当に理解することができない。

この世界では忘れてはいけないことが一つある。 他のすべてのことを忘れても、このことだけを忘れないなら、心配する必要はない。 一方、もしあなたがすべてのことを行って、覚えて、一つのことも忘れず、 しかしこのことだけを忘れるならば、あなたは何もしていないのと同じである。-- ルーミー

「プレゼンス」は「神の想起」または「自己想起」とも呼ばれている。神の内面的な意味は、「内なる神」、自分の「高次の自己」である。

父なる神とキリストは生命の呼吸を制御する(パリ、ルーブル美術館)


魂の統一性の謎と神性があなたに明らかにされると自分は神と違っていない、ということを理解するだろう。それから、自分のすべての行動は彼の行動であって、自分のすべての属性は彼の属性であり、 そして自分の本質は彼の本質であるということを見るだろう。
-- イブン・アラビー


「高次の自己」または「内なる神」は眠っている。「想起」とはそれを目覚めさせるための努力やその状態を示す。

「高次の自己」の道教の描画


自己の想起......想起の最高の形。-- コーラン
ああムハンマドよ、内なる主を想起しなさい。 -- コーラン
一息ごとに「現在に存在」しなさい。一呼吸の間さえも、自分の注意力をさまよわせてはならない。いつでも、どこでも、自己を想起しなさい。 -- グイヅヴァニ(12 世紀、スーフィーのマスター)
人生の中で得られるものは一つだけであるが、それはそれぞれの呼吸をもって神を想起することである。そして人生の中で唯一の喪失は、神を想起しない呼吸である。-- マダニ


「プレゼンスの状態」は空虚とも呼ばれている。「高次の自己」は単に空虚で、ありのままで、目ざめている意識である。この意識の出現のために、 多数の態度や意見を持っている「低次の自己」は受動的になるか、一時的に死ぬ必要がある。「プレゼンスの状態」が十分に強ければ、この意識はその後しばらくの間、「低次の自己」と共存できる。
止むを得ず「プレゼンス」が弱まると、「低次の自己」が再び主張し、「高次の自己」は再びベールに包まれる。しかし、修行を通して、「プレゼンス」は徐々に長く継続することができる。

禅画の空虚の円


探求者は、知っているすべてのものを自分の思考から削除し、心の想起とプレゼンスを通して、空の心を持つ神と共に座る道しかない。-- イブン・アラビー
プレゼンスの概念は空虚として現れる。-- ミラレパ



畳の部屋の空虚

お前に孫悟空という法名を授ける、どうだ?その意味は空虚に目覚めた猿である。-- 西遊記
なぜイエスが売買する人々を追い出し、鳩を持っていた人たちに鳩を追い出すように言ったのだろうか?彼の意図は、神殿を空にすることにほかならない。
-- マイスター·エックハルト

「プレゼンスの状態」は、天国、神の天国または楽園とも呼ばれている。

阿弥陀仏の西方極楽浄土を象徴する平等院(京都)
神が自分の中に君臨している時、神の天国は自分の中にある。-- フィロカリア、隠遁者テオファン
非常にはっきりと因果を理解しているため、六つの階段を正しい時に昇り終え、六頭の龍に乗っているがごとくに、六つの階段の上で正しい時に天に昇る。-- 易経
地獄というのは、独自の勢いに任せて行動するエネルギーである。天国は、より高い者に従うエネルギーである。-- ウィリアム・ブレイク
六つの行為を修めると私に約束しなさい。そうすれば私はあなたに楽園を約束する。-- ムハンマド

自分の中に「プレゼンスの状態」を生み出すことは、世界の創造や天と地の創造とも呼ばれている。すべての創世神話は、「プレゼンスの状態」を作成することについてである。

神は「存在(Be)」という言葉で一瞬にして天と地を創造することが出来ただろう。しかし彼は、その仕事を六日間に延長して行った。-- ルーミー
「神による天と地の創造」の始まりは、永遠における最初の単純な「今」である。-- マイスター·エックハルト

定慶による六観音菩薩、1224年(京都、大報恩寺)
アラーは六日間で天と地を創造し、それから御座に就いた。-- コーラン、7章54 話
ああ僧侶たちよ、六で世界は創造される。-- 仏陀

それは時間を超越しているため、「プレゼンスの状態」は、不死や永遠の命とも呼ばれている。過去からの鮮明な記憶は、「高次の自己」が存在し、高次の意識の状態が発生したことを示す。

四つの部分に別れた第三の眼を持つ菩薩(チベット)
天と地の心は、継続的な成長の基礎である。この心を達成する人は賢者、仏陀、不死になる。この心を失った人は、動物、幽霊、悪魔になる。-- 劉一明
永遠の生命は、最愛との結合の時間であり、なぜならばその瞬間は時間を超越するからある。 -- ルーミー
一碗飲めば喉や口が潤い、
二碗飲めば寂しさと鬱を除き、
三碗飲めば干涸びた腸を探り、
中には五千巻の書物があるばかり、
四碗飲めば軽い汗が出て、
今までの不平不満が毛穴から抜ける。
五碗飲めば肌や骨まで清らかになり、
六碗飲めば仙界へ通ずる。
七碗はもう飲めない。
両袖から清風が吹き抜けて行くのを感じ、
不死の島へと浮かんでゆく。
-- 盧仝、8世紀の道家詩人
この不滅の四つの呼吸は、眉間の奥、精神の元に隠されている。
-- 「趙避塵 」(20世紀、道教の老師)

「プレゼンスの状態」は本当の意識または自己意識とも呼ばれている。「高次の自己」は現在に存在すると、それは自分と「低次の自己」に気づく。「高次の自己」が現在に存在することを忘れてしまうと、この気づきもなくなってしまう。

ウォルト・ホイットマン

心を浄化しなさい。純粋な心には自己意識 は常にある。
-- ウパニシャッド
胚という用語はただ、本当の意識が固定化・安定化し、
飛散しないことを説明する。-- 劉一明
今の自己意識以上の他のものが欲しい人はいないでしょう。
-- チベットのテキスト
私たちの心の 領域の中に、意識の仏陀は豊富な光を照射し外側の六つの門を照らす。光は六つのカーマ天(欲望の天)を浸透するのに十分に純粋である。-- 慧能



「プレゼンスの状態」は基本性、本性または仏性とも呼ばれている。

ダリ王国の大日如来、1163年(中国、上海美術館)

仏性とは何ですか?それは単にあなたの完璧な現在の意識である。それは空虚で、ありのままで、目覚めている。
-- チベットのラマ
心をこめて見性すれば(我が身に備わる仏としての本性を見抜こうとすれば)念仏となえて振り返るたびに、そこが霊山になるってえ寸法です。-- 西游記
六つの完成態(波羅蜜多)は自分の仏の性質を見ている。-- 禅教師バスイ
金丹は自分の基本性の別名である。-- 劉一明

「プレゼンスの状態」は金丹、仙丹または生命の仙薬とも呼ばれている。

直面しているファラオとアメンラー神
(エジプト、ルクソール、カルナック神殿)

古代の仙人たちは、根本的に完全で啓発された真の意識の本質を喩えるために、「仙丹」という言葉を使っていた。一の陽から成長し、統一された純粋な六艾の陽へと徐々に達、曖昧さから明確さへと移りつつ、仙丹は自然に発展していく。
-- 劉一明(18、19世紀、道教の老師)
仙丹が形成されていると、元の顔が見える。-- 西遊記
黄金の華とは生命の仙薬のことだ。 効き目は実に確かだが非常に捉え難いので、最高度の知性と明晰さ、そして完全な受容性と静謐さが必要とされる。-- 黄金の華の秘密
火による六つの浄化の段階は......順序があり、混同してはならない。そうすることでしか金丹を作り出すことができない。
-- 「趙避塵 」(20世紀、道教の老師)


「プレゼンスの状態」は彼岸とも呼ばれている。

「低次の自己」は「プレゼンス」を殺そうとする。
僧の片手には6つの指があり、別の手は4つの指がある。
死のダンス、15世紀(スイス、 ベルンのミュンスター)
「波羅蜜多」は何ですか?これはサンスクリット語で、対岸に到着したという意味である。心が混乱しているとき、それは此岸(しがん)である。心が悟りを開いているときは彼岸である。
-- 慧能
菩薩は「般若波羅蜜多」(海岸に到達するための知恵)の強力な知識を、 十種類の浄化と癒しの活動、四つの無定形の分野と、六形態の超知識に展開する必要がある。-- 般若経
六波羅蜜について話すとき、最後のは知恵であり、十波羅蜜について話すとき、第六番めには四つが含まれている。
-- タイシトゥ・リンポチェ12世
「般若波羅密多」によって菩薩は心の中で自由になる。 そうすると恐怖がなく、非現実的な夢のような思考が排除され、究極の楽天が楽しめる。-- 般若波羅蜜多心經

「プレゼンスの状態」は生命とも呼ばれ、そして「プレゼンスがない状態」は死、睡眠または闇と呼ばれている。

シヴァ、彼の息子のカールッティケーヤ(別名スカンダ)と妻パールバティ
(パリ、国立図書館)

命にいたる門は狭く、 その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。-- 聖書、 マタイによる福音書、7章、114話
四生と六道はことごとく評論せらる。-- 西游記
眠っている者よ、目覚めなさい。死人のなかから、立ち上がりなさい。-- 聖書、エフィソの信徒への手紙、 5章14 話
私の最愛の者なくしては、全ては闇だ。
-- スルタン・バフ


タロットカードXXI「世界」

「プレゼンスの状態」は最愛とも呼ばれている。


私たちの生活の総和は、最愛のそばで過ごした、すべての息である。-- アブ・サイード
プレゼンスは、我々が「最愛」と呼ぶものである。 -- ルーミー
輝かしいが隠れた自己は心に宿る。彼は愛の源泉であり、考えではなくて、 愛を介して知ることができる。-- ウパニシャッド
あなたの愛は、六方向から私の頭の中に広がっている。-- ルーミー





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